「うちは何でもできます」が選ばれない理由
「うちは何でもできます」と言われても、頼めない
イプロスのカタログを見ていると、こういう会社が多い。
「アルミ、真鍮、SUS、樹脂、すべて対応可能です」
「小ロットから大ロットまで、何でも対応します」
「試作から量産まで、すべてお任せください」
これ、一見すると良さそうに見える。
対応範囲が広い。柔軟性がある。頼りになりそう。
でも、購買担当者は、こう思っている。
「で、うちに最適なのは、この会社なの?」
答えは、出ない。
なぜなら、「何でもできます」と言われても、「じゃあ、うちの案件に最適なのか?」が分からないからだ。
購買担当者は、専門家を探している
想像してほしい。
あなたが医者にかかるとき、こう言われたらどう思うだろうか?
「うちは何でも診ます。内科も外科も皮膚科も精神科も、すべて対応できます」
...不安じゃないですか?
それより、こう言われたほうが安心できる。
「当院は、糖尿病治療専門のクリニックです。年間500名以上の患者様を診ています」
購買担当者も、同じだ。
「何でもできます」と言われるより、「あなたの案件に最適です」と言われたほうが、安心できる。
「何でもできます」は、「何も得意じゃない」と同じ
厳しいことを言うが、これが現実だ。
「何でもできます」は、購買担当者にとって、「何も得意じゃない」と同じに聞こえる。
なぜなら、購買担当者はこう思っているからだ。
「アルミも真鍮もSUSも対応できるって言うけど、じゃあどれが一番得意なの?」
「小ロットも大ロットも対応できるって言うけど、じゃあどっちが得意なの?」
「試作も量産も対応できるって言うけど、じゃあどっちの実績が多いの?」
この答えが、カタログに書いていないから、購買担当者は選べない。
具体例で考えてみよう
例えば、あなたの会社が切削加工をやっているとする。
イプロスのカタログには、こう書いてある。
Before:「何でもできます」と言った場合
【精密切削加工】
- 対応材質:アルミ、真鍮、SUS、樹脂
- 小ロット(1個〜)から大ロット(10,000個〜)まで対応
- 試作から量産まで一貫対応
- 短納期対応可能
- 図面1枚からお見積もり
何でもお任せください。お気軽にお問い合わせください。
これ、悪くない。
対応範囲が広いことは伝わる。
でも、購買担当者は動かない。
なぜなら、「うちの案件に最適なのか?」が分からないからだ。
では、専門性を打ち出すと、どうなるか?
After:専門性を打ち出した場合
【医療機器向け精密部品の試作専門】
「医療機器の試作、1個から対応してくれる加工会社が見つからない...」
「医療機器特有の厳しい精度要求に対応できる会社が少ない...」
そんな悩みを抱えていませんか?
当社は、医療機器向け精密部品の試作を専門にしています。
年間200件以上の医療機器メーカーからの試作実績があり、厳しい精度要求にも対応できる体制を整えています。
1個からの小ロット対応はもちろん、図面確認から材質提案まで、医療機器特有の要件を理解したエンジニアがサポートします。
【得意分野】医療機器向け精密部品(手術器具、検査装置部品など)
【対応材質】SUS316L、チタン、PEEKなど医療機器向け材質
【納期】図面確認後、最短3日〜
【最小ロット】1個から対応
まずは図面をお送りください。医療機器専門のエンジニアが確認します→
どちらが、問い合わせにつながるだろうか?
答えは、明らかだ。
「でも、他の案件を断ることになりませんか?」
ここで、こう思った方もいるかもしれない。
「でも、専門性を打ち出すと、他の案件を断ることになりませんか?」
これは、よくある心配だ。
でも、逆だ。
専門性を打ち出すから、問い合わせが増える。
考えてみてほしい。
「何でもできます」と言っている会社には、誰も問い合わせしない。
でも、「医療機器向け精密部品の試作専門」と言っている会社には、医療機器メーカーが殺到する。
そして、実際に問い合わせが来たとき、「実は他の材質も対応できます」「実は量産も対応できます」と伝えればいい。
つまり、こういうことだ。
専門性を打ち出すのは、入口の話。
入口で「うちに最適だ」と思ってもらえないと、問い合わせすら来ない。
専門性を打ち出す3つのステップ
「じゃあ、どうやって専門性を打ち出せばいいの?」
そう思った方もいるかもしれない。
方法は、シンプルだ。
ステップ1:今の顧客を分析する
今、あなたの会社に発注してくれている顧客は、どんな会社だろうか?
- 業界は?(医療機器? 半導体装置? 自動車?)
- 案件の特徴は?(試作が多い? 量産が多い?)
- 材質は?(アルミが多い? SUSが多い?)
この分析をすれば、あなたの会社の「実は得意なこと」が見えてくる。
ステップ2:その分野に絞る
「医療機器メーカーからの試作案件が多い」なら、それを専門性として打ち出す。
「半導体装置向けのアルミ部品が多い」なら、それを専門性として打ち出す。
ステップ3:実績を明記する
「年間〇〇件の実績」「〇〇社との取引実績」など、具体的な数字を入れる。
これだけで、「この会社は、うちの案件に最適だ」と思ってもらえる。
専門性を打ち出すことは、顧客への誠実さだ
ここで伝えたいのは、こういうことだ。
「何でもできます」と言うのは、一見すると謙虚に見える。
でも、購買担当者にとっては、不親切だ。
なぜなら、「うちの案件に最適なのか?」が分からないからだ。
逆に、専門性を打ち出すことは、顧客への誠実さだ。
「うちは、この分野が得意です。だから、この分野の案件なら、安心して任せてください」
これが、顧客にとって一番わかりやすく、安心できる。
技術力があるなら、その技術力を「誰のために使うか」を明確にしよう。
それだけで、選ばれる会社になる。
最後に:御社は、誰の専門家ですか?
もし、あなたの会社がイプロスのカタログに「何でもできます」と書いているなら、こう自問してほしい。
「今の顧客の中で、一番多い業界・案件は何だろうか?」
「その分野で、うちは何件の実績があるだろうか?」
この答えが、あなたの会社の専門性だ。
それを、カタログに書こう。
「何でもできます」ではなく、「この分野なら、うちが一番です」と書こう。
それだけで、問い合わせは増える。
188万人の購買担当者に、あなたの会社の専門性を、正しく伝えよう。
御社は、誰の専門家ですか?
もし、「今のカタログを客観的に見てほしい」と思った方がいたら、お気軽にご相談ください。
押し売りは一切しません。
ただ、専門性が伝わるカタログになっているか、一緒に考えさせてください。
日本の中小製造業の技術力を、正しく伝えるお手伝いをさせてください。
188万人に、あなたの会社の専門性を、届けよう。

