製造業の採用ページが人を集められない理由
「アットホームな職場です」と言われても、応募しない
製造業の採用ページを見ていると、こういう言葉が並んでいる。
- アットホームな職場です
- やりがいのある仕事です
- ものづくりの喜びを感じられます
- 社員一同、明るく働いています
- あなたの成長を応援します
これ、間違っていない。
むしろ、良い職場だと思う。
でも、求職者は、これを読んで応募するだろうか?
しない。
なぜなら、求職者が知りたいのは、これじゃないからだ。
求職者が知りたいのは、こうだ。
「で、自分はどうなるの?」
求職者が知りたいのは、「自分の未来」だ
想像してほしい。
あなたが転職を考えているとき、こう書いてある採用ページを見たらどう思うだろうか?
「当社は、アットホームな職場です。やりがいのある仕事ができます」
...で?
給与は?
休日は?
残業は?
3年後、5年後、自分はどうなっているの?
これが、求職者が本当に知りたいことだ。
でも、多くの製造業の採用ページには、これが書いていない。
採用も、マーケティングだ
ここで、重要なことがある。
採用も、マーケティングだ。
製品を売るときと、同じだ。
製品を売るとき、スペックだけを並べても売れない。
「お客さんにとって、どう良いのか?」を伝えないと、選ばれない。
採用も、同じだ。
「アットホームです」「やりがいがあります」だけを伝えても、応募されない。
「あなたは、この会社でどうなるのか?」を伝えないと、選ばれない。
これを、マーケティング用語で「ベネフィット」という。
採用ページにも、ベネフィットが必要なのだ。
ミッションは大切。でも、それだけでは人は集まらない
ここで、誤解してほしくないことがある。
ミッションは、大切だ。
「日本のものづくりを支える」「誰かの命を救う」
これは、嘘じゃない。本当に大切な仕事だと思う。
でも、ミッションだけでは、人は集まらない。
なぜなら、求職者はこう思っているからだ。
「ミッションは素晴らしい。でも、自分の生活はどうなるの?」
「やりがいはわかった。でも、給与は?休日は?3年後の自分は?」
これが、求職者の本音だ。
ミッションに共感しても、生活できなければ働けない。
やりがいがあっても、家族との時間が取れなければ続けられない。
だから、ミッションとベネフィット、両方を伝える必要がある。
「この仕事には、こんな意味がある(ミッション)」
「そして、あなたの生活は、こうなる(ベネフィット)」
これを両方伝えることで、求職者は安心して応募できる。
実際の改善事例で考えてみよう
ある精密部品加工会社が、採用に困っていた。
応募は月に2〜3件。しかも、面接まで来る人はほとんどいない。
その会社の採用ページは、こう書いてあった。
Before:抽象的なミッションだけの場合
【一緒に、日本のものづくりを支えませんか】
当社は、精密部品の加工を通じて、日本のものづくりを支えています。
医療機器から航空宇宙まで、様々な産業を支える部品を作っています。
あなたの技術で、誰かの命を救う。
あなたの技術で、未来を創る。
それが、私たちの仕事です。
アットホームな職場で、社員一同、明るく働いています。
ものづくりの喜びを感じながら、やりがいのある仕事ができます。
未経験者も歓迎です。丁寧に指導します。
あなたの成長を応援します。
【募集要項】
職種:旋盤加工スタッフ
勤務地:〇〇県〇〇市
給与:応相談
休日:週休2日制
詳細はお問い合わせください。
これ、悪くない。
むしろ、立派なミッションだと思う。
「日本のものづくりを支える」「あなたの技術で、誰かの命を救う」
これは、嘘じゃない。本当に大切な仕事だ。
でも、求職者は応募しない。
なぜなら、求職者が知りたいのは、「で、自分の生活はどうなるの?」だからだ。
「日本のものづくりを支える」と言われても、給与が20万円で残業が月50時間なら、生活できない。
「誰かの命を救う」と言われても、休日が年間90日で家族との時間が取れないなら、続けられない。
ミッションは大切だ。でも、ミッションだけでは人は集まらない。
求職者が本当に知りたいのは、「この会社で働いたら、自分の生活はどうなるのか?」だ。
では、この会社が採用ページを変えると、どうなったか?
ミッションはそのまま残した。
でも、そこに「求職者の未来」を具体的に加えた。
After:ミッション+ベネフィットを伝えた場合
【未経験から3年で、月給35万円の旋盤職人に】
「製造業で手に職をつけたいけど、未経験だと不安...」
「給与が上がらない会社で、このまま働き続けていいのか?」
そんな悩みを抱えていませんか?
当社では、未経験から3年で月給35万円を目指せる育成プログラムがあります。
実際に、3年前に未経験で入社した社員は、現在、月給36万円で医療機器向けの精密部品を担当しています。
あなたの技術が、誰かの命を救う。
私たちが作る部品は、手術器具や人工関節に使われます。あなたの仕事が、直接、患者さんの命を支えます。
【あなたのキャリアパス】
1年目:月給25万円(基本的な旋盤加工を習得)
2年目:月給30万円(NC旋盤の操作を習得、医療機器向け部品を担当)
3年目:月給35万円(複雑な形状の加工を担当、後輩の指導も開始)
【働き方】
勤務時間:8:00〜17:00(実働8時間)
残業:月平均15時間(繁忙期でも20時間以内)
休日:完全週休2日制(土日)、年間休日120日
有給消化率:85%(取得推奨しています)
【福利厚生】
社会保険完備、退職金制度、資格取得支援(費用全額会社負担)
技能検定1級取得者には、月3万円の資格手当
【入社後の流れ】
最初の3ヶ月は、ベテラン職人がマンツーマンで指導します。
焦らず、じっくり技術を身につけてください。
まずは工場見学にお越しください。実際の職場と先輩社員を見てから決めてください→
結果はどうだったか?
採用ページを変えてから、月の応募数が2〜3件から15件に増えた。
しかも、面接に来る人の質が変わった。
「ミッションに共感しました。そして、3年後に月給35万円を目指せることにも魅力を感じました」
こう言って応募してくる人が増えたのだ。
この会社は、ミッションとベネフィット、両方を伝えた。
「あなたの技術が、誰かの命を救う」というミッションで、仕事の意味を伝えた。
そして、「3年で月給35万円」「年間休日120日」という具体的な数字で、生活の安心を伝えた。
この両方があるから、求職者は安心して応募できるのだ。
求職者が知りたい5つのこと
採用ページに書くべきことは、シンプルだ。
求職者が知りたいのは、この5つだ。
1. 給与(具体的な金額)
「応相談」ではなく、「月給25万円〜」のように、具体的な金額を書く。
さらに、「3年後には月給35万円」のように、将来の給与も書く。
2. 休日・残業(具体的な数字)
「週休2日制」だけでなく、「年間休日120日」「残業は月平均15時間」のように、具体的な数字を書く。
3. キャリアパス(具体的な道筋)
「成長を応援します」ではなく、「1年目は〇〇、2年目は〇〇、3年目は〇〇」のように、具体的なキャリアパスを書く。
4. 働き方(具体的なイメージ)
「アットホーム」ではなく、「8:00〜17:00勤務、残業は月15時間」のように、具体的な働き方を書く。
5. 入社後の流れ(具体的なサポート)
「丁寧に指導します」ではなく、「最初の3ヶ月は、ベテラン職人がマンツーマンで指導」のように、具体的なサポート内容を書く。
これを書けば、求職者は「この会社で働く自分」をイメージできる。
「でも、給与を出すと、高い・安いで判断されませんか?」
ここで、こう思った方もいるかもしれない。
「でも、給与を出すと、高い・安いで判断されませんか?」
これは、よくある心配だ。
でも、逆だ。
給与を出すから、適正な求職者が応募してくる。
考えてみてほしい。
給与を出さないと、こうなる。
- 月給40万円を期待している人が応募してくる
- 面接で「月給25万円です」と伝えると、「安すぎる」と言われる
- 面接の時間が無駄になる
でも、給与を出せば、こうなる。
- 月給25万円で納得できる人だけが応募してくる
- 面接で給与の話をする必要がない
- 面接の時間が無駄にならない
つまり、給与を出すことは、お互いにとって効率的なのだ。
ミッションとベネフィット、両方を伝えよう
ここで伝えたいのは、こういうことだ。
ミッションは大切だ。「日本のものづくりを支える」「誰かの命を救う」、これは本当に大切な仕事だと思う。
でも、ミッションだけでは、人は集まらない。
「この仕事には、こんな意味がある」と伝えるだけでなく、「そして、あなたの生活は、こうなる」も伝える必要がある。
これは、求職者への誠実さだ。
「うちは、こんなミッションを持っています。そして、給与はこのくらいです。休日はこのくらいです。3年後は、このくらいになります」
これを正直に伝えることで、求職者は「この会社で働く自分」をイメージできる。
そして、ミッションにも共感し、生活にも安心できる人だけが応募してくる。
技術力がある会社なら、その技術力を「働く人にとっての良いこと」として伝えよう。
そして、「その仕事の意味」も一緒に伝えよう。
それだけで、人が集まる会社になる。
最後に:御社の採用ページ、ちゃんと伝わっていますか?
もし、あなたの会社が採用に困っているなら、こう自問してほしい。
「ミッションは語っているけど、求職者の『生活』も語っているだろうか?」
「採用ページを見て、求職者は『自分の未来』をイメージできるだろうか?」
「給与、休日、キャリアパス、具体的に書いているだろうか?」
もし書いていないなら、書こう。
ミッションだけでなく、「あなたはこうなります」も書こう。
それだけで、応募は増える。
そして、納得した人だけが入社する。
求職者に、あなたの会社で働く未来を、正しく伝えよう。
御社の採用ページ、ちゃんと伝わっていますか?
もし、「今の採用ページを客観的に見てほしい」と思った方がいたら、お気軽にご相談ください。
押し売りは一切しません。
ただ、求職者に伝わる採用ページになっているか、一緒に考えさせてください。
日本の中小製造業が、良い人材を採用できるお手伝いをさせてください。
求職者に、あなたの会社で働く未来を、届けよう。

